diary

春、スタートの季節

 久々に、ツマが書きます。
 我が家では、まだ薪ストーブに火を入れる日も少なくありませんが、
庭の木々たちは次々と芽吹いて、春の装いです。

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グミの花が咲きました。

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これは去年までは目に留まっていなかった木。名前はわかりませんが、
トゲトゲの枝に、ぷっくりした蕾がアンバランスな、おもしろい植物。これも、つぎつぎに花開いています。
私自身も、永く冬ごもりをしていましたが、そろそろ始動していかないと。
  
 つきましては、家の様子を知りたいという声にお応えして(?)、
今日から少しずつ、家の中を紹介していきます。家具だけではなく、建具や床も無垢の木を使用しています。
まずは玄関のドア。外壁はグレーに塗った板を張っています。

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中に入ると、、、

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玄関はこんな感じです。(少し前の画像なので、冬な感じですが)
 
 ブログのアップが久々すぎて、まだまだ勘が戻ってきませんので、
初回はこのへんで。さらに内部は、また次回以降をお楽しみに!(ツ)

三寒四温

3月も後半。
三寒四温の日々ですが、いかがお過ごしでしょうか。
近所ではようやく土筆が顔を見せ始めました。

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数日ぽかぽか陽気が続いたかと思えば、
急に雪が積もったりして。
かなり差の激しい気候変動の日々、
皆様お体に気をつけて。
このところ家具の製作の合間に、
家具修理の仕事など、
諸々の仕事をこなしながら過ごしております。

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上の画像は、
天板の割れた座卓の修復の模様。
構造上、割れを元に戻すのはできないので、
割れはそのままに補強、
隙間をパテとカシューで埋めていく作戦です。
当工房では、
製作以外にも、古家具の修復、リメイクも承りますので、
ご相談ください。
さらにその合間に出かけた丸太の市にて落札したトネリコの丸太を、
製材所で挽いてもらいました。

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トネリコはバットなどにも使われる「しなり」のある木。
うちのチェアーのような細いスピンドルには適材なのですが、
製品材としては流通は皆無と言ってよく、
市では良い買い物ができました。
小口に割れ止めを塗って、
丁寧に桟積みして、
初夏までは外に干しておきます。
乾燥して使えるのは少し先でしょうが、
曲げ木などに使っていきながら、
試して行こうと思っています。

教会のベンチ

2月も中旬になり、
朝窓の外に広がる雪景色は今シーズン何度目でしょうか。

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雪かきするほどの量でもなく、
日中の日差しでその日のうちに溶けてしまうので、
生活にまったく支障はありませんが、
よく降るシーズンではあります。
製作にかかっていた教会のベンチを納品したので、
その画像を。

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礼拝に使われる3人掛けのベンチで、
ご依頼いただいた教会に置かれていたものを複製しました。
ただ、元のベンチはもたれなどはフラッシュ構造だったので、
今回はやりなれている無垢の構造に変更させてもらいました。
同じ木工でもやり方や使う道具、接着剤は違うものだし、
今回の場合は無垢のほうがむしろ頑丈に作れると判断しました。
教会の方にその点を最初にご理解いただけ、
製作させてもらうことができました。
背面には礼拝用に台が付いています、
アンティークの仕事をしていたときも、
チャーチチェアーの後ろには、
聖書を入れるポケットや、
膝を付くためのクッションが付いているものがあったのを思い出しました。

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曲線や装飾を排した実用的な構造ですが、
かけ心地や使い勝手などには細かい配慮が感じられるベンチで、
学ぶところの多い仕事でした。
さて次はテーブルの製作。
ミニチュアでバランスの確認作業中です。

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面白い形のテーブルになりそうです。

「家具選び」セミナー

左京区の恵文社さんにて、
「家具との暮らし 家具選び」
のタイトルでセミナーをおこなってきました。

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家具の見方、選び方という、
とても広い範囲のテーマでしたが、
僕が出て行って話せるのは無垢の家具の特徴と魅力で、
話の大半はその内容になりました。
無垢の家具と合板家具との性質の違い、
それぞれの適材適所の話から始まり、
反ったり、膨張したりする無垢の性質と向き合いながらの家具作りのこと。
その質感や経年変化の良さが無垢材の魅力であり、
永く使ってもらうためにどのような気を配っているか。
家具の生活への取り入れ方の話をするには、
シェーカーの話も織り込みました。
シンプルな暮らしを体現するシェーカー家具ですが、
ひとつの家具から自分の暮らしを形づくって行くのも、
魅力的な生き方だな、と感じています。
ひとつの美しいチェストを手に入れて、
それに納まるだけの身だしなみを持って暮らす、など。

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手間をかけて家具を作っていますが、
コストの問題で、手間を省くことを考えることはないか、
との質問がありましたが、
美しいもの、永く使えるものを提供するには、
木をしっかり見る、ホゾで組む、カンナで仕上げるなど、
省けない手間があると思います。
やたらと手間をかけて腕自慢するのではなく、
真摯にものづくりに取り組む姿勢。
そうしてできる家具は存在感が違います。
そういうものを作って行きたいから。
2時間半で、
思いを語りつくして、お客さんは少し辟易気味だったかも。
心配になって、後で数名の方と話しましたが、
普段聞けない話が聞けてよかったと言ってもらえ、ホッとしました。
こんな形で話をすることもあまりないことだと思いますが、
自分の考えを整理する良い機会とさせてもらえました。

イベント告知

工房の改装作業は、
下地作りまできました。

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吊り天井用にぶら下がった材木が、
かんぴょうでも干してるような様子ですが、ストップして、
25日に恵文社で行われるイベントに備えます。
「第13回 彩工房 暮らしと住まいのセミナー
家具職人 田路宏一さんに教えてもらう 家具との暮らし・家具選び」
1月25日(日) 12:30-15:00
COTTAGE (恵文社店舗内南側)
「教えてもらう」などとはえらそうなタイトルですが、
主催の工務店さんのネーミングです。
巷で売られている量販家具と、
我々家具作家の作る工房家具との違いを紐解いていく趣旨のイベントです。
人前に出て話すようなことは初めてに近いですが、
製作過程など説明して、
無垢の木と向き合ったものづくりについて、
興味を持ってもらえる話ができたら、と思います。
当日は曲げ盆、オーバルボックスなどの物販もあり。

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来場ご希望の方は以下のページよりお申し込みください。
http://www.saikobo.co.jp/events_14.html

作業場のこと

昨日は近所の神社にて、えべっさんのお参りに行ってきました。

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雪の溶け残る、近所の山国神社。
工房を立ち上げてから初のお参り。
いただいた熊手は、作業場の得等席に飾りつけ、
今年の仕事の順調であることを願います。

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そして作業場では、
昨年末にできなかった片付けと、改修作業が展開中。
もともと鉄工関係の作業場であったこの場所は、
天井高が5メートルほどあり、
しかも壁面の一角は板金が張られておらず、
いわば半外状態。
昨年には作業場用の鉄板ストーブを導入しましたが、
どれだけ燃やしても熱気は上に上がり、抜けるばかりで室温は一向にあがりません。
この季節は、室温は常に5度以下。
多くの木工用接着材の耐用温度の下限が5度ほどなので、
ごまかしごまかしの作業になります。
このままでは仕事がままならぬ・・、
良い接着剤はないか、何か解決方は・・、と考え、
思い切って天井を低くし、手加工場と機械場を分ける仕切りを作ることにしました。
家の改装が落ち着いて来たところで、
今度は工房。
環境を整えるのも仕事の内、と自分に言い聞かます。
とはいえさすがに大掛かりなので、
家具作りとの並行作業にて。
完成は暖かくなるころでしょうか。

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2015年スタート

新年明けましておめでとうございます。
山の家具工房2015。

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新年のスタートはスプーンづくりから。
まっさらな気持ちで。

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怪我をしないように、注意点はありますが、
削り方、道具のチョイスは自分次第。
驚くような技、集中力を見せてくれる人もいます。

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夕刻までの3時間半で、皆1本ずつ仕上げられました。

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昨年まで寝泊りしていたこの場所を、
今年からはギャラリースペースとして使えるので、
スプーン教室然り、
もっと色んな方に来てもらえるように、
今年は昨年までに増して色々やることが増えそうです。
ようやくスタートラインに立てそう、という感じ。
作品作り、空間作り、日々の暮らし、
ひっくるめて、ライフワーク。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

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年末の仕事

ブログの更新をサボっている間に、
季節は秋から冬の只中に。
秋のうちにギャラリースペースでの生活はピリオドが打たれ、
新しい階上の住居では、ダルマストーブがフル稼働中です。
もっと大型のストーブを入れるまでの繋ぎに、と思っての導入でしたが、
今のとこ十分に暖が取れ、
薪が入れにくい難点を除けば、安価だが結構使える代物です。
部屋の壁、床下、天井裏に十分に断熱材を仕込んだこともあって、
外壁の板金一枚のみのがらんどう空間の一階比べると、
部屋の温まり方は雲泥の差です。
薪ストーブを生かすには、
本体、煙突、部屋の断熱のバランスが大事なんですね。

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今日までに納めた事例を二つ。
くるみのスピンドルチェアー。

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能登でのイベントにて知り合った方からのご依頼。
うれしいご縁でした。
サクラの円弧テーブル。

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こちらは京都市内のお客様。
最初は丸テーブルを検討されていましたが、
同じ外径でも、より天板のスペースがとれて、
且つやさしい印象になる円弧の形に決定。
全体のイメージをまとめるまで、かなり多くのやり取りがありましたが、
そのかいあって、仕上がりには大変喜んで頂けました。
年末のこの2つの仕事では、
大手メーカー家具や、北欧デザイン家具、
果ては安価な外国産家具まで、
膨大な家具選びの選択枠のある昨今、
個人家具工房として、何ができるのか、
ということを意識しながら取り組みました。
具体的には、
製作に入るまでのプレゼン、製作中も工程を2度ほど画像とともにお知らせしました。
まず当方の作る家具、家具作りへの姿勢、
ポリシーみたいなものを知っていただき、
仕事になれば、お客様の希望に耳を傾け、
お客様の空間作りの物語に付け加えられるようなものを提供する。
そういうことをやっていけるのが、
小回りの利く個人家具工房のメリットだと思うし、
またそれが自分の喜びでもあります。
ただの製作にとどまらず、
そういうことをいくつ積み重ねていけるかが、
今後の仕事の価値だと感じます。
そのためには、もうちょっとこまめなブログ更新もせねば、と反省もしつつ、
来年もがんばって参ります。
みなさま、良いお年を。

「Learn to Shaker」終了

落ち葉舞い散る秋。
ヤギたちは喜んで落ち葉をほおばります。

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このあと冬が来て落ち葉が完全に落ちきると、
ヤギにとって外には食べるものがない季節。
新芽の生えてくる4月まで、
ひたすら乾草を与えられることになります。
それでも食欲は満たされますが、
ヤギとていろいろと選り好みしながらの食事が楽しいようで、
冬が来るまでの晩餐を繰り広げる日々です。
先日、
「Learn to Shaker」が終了しました。
前のブログでは紹介できてなかった僕の出品作品。

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ビューローです。
材は希少なアサダ材。
シェーカーの家具の写真で、ライティンクビューローは見かけますが、
今回は鏡を内蔵し、ドレッシングビューローと想定して製作しました。
パタンと扉を閉めれば、雑多なものを手軽にしまってしまえるのがこの構造の利点。
今の時代、パソコン用になど、いろいろ使い道はありそうです。

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本体組み立ての仕口はアリ組みとしました。
シェーカー家具は、
僕が家具の製作に興味を持つきっかけになったスタイルですが、
今、家具工房として独立して一定期間がたち、
再びそれと向き合って思うことは、
シェーカー家具は作り手としての自分の写し鏡だ、ということです。
使う機能から離れた形優先のものづくりになっていないか。
丁寧な仕事を忘れていないか。
そういうことを語りかけます。

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さあ、
楽しい宴の期間も終わりました。
これからまた、それぞれ自分のものづくりと向き合う日々。
楽しんでいきましょう!

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「Learn to Shaker」

開催中のグループ展、
「Learn to Shaker」
に向かう峠道、車中よりの眺望。

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葉は色づきつつあります。
本格的な紅葉も近づいている様子。
会場の模様も画像にてご紹介します。

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10人での展示で、
スペース配分の都合上、椅子を中心とした展示になっていますが、
それぞれに、「いさぎのよい」、気持ちのよい作品が並んでいます。
奥の間にはシェーカーのエンフィールドチェアーが。

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空間を引き締めます。
シェーカー家具についての簡単な説明文も張り出し、
文と出展作品とのつながりを探す楽しみもあり、
例年以上に面白い展示になっていると思います。
11月9日まで、是非お越しください。
アートライフみつはし
京都市左京区銀閣寺前町23
℡075-752-3814