杉の収納、ヒノキの建具

今年も田んぼのシーズンがやってきました。
仕事の面では色々なものを作っているので季節的に決まった動きはない中、4月になればごそごそと田んぼの準備を始めるルーティンが逆に心地よく感じられるようになりました。何かと手間は取られるのですが、大事な暮らしの一部になっています。

さて、少し前に納めた案件です。
京北の新築のお宅に収納、建具を製作させていただきました。

京北の杉、ヒノキで製作。特に杉については狂いの少ない柾目の材を使用しました。目の通った緻密な木目で、床板、壁板の杉の印象とは違った端正な印象になります。柾目の材は一本の丸太からは少量しか取れないので貴重なものなのですが、その点産地であるここ京北は求めやすい環境です。
出来立ての今はスッキリとして控えめな表情ですが、経年変化で年と共に風合いが増していくはずで、突板製の家具にはない魅力です。

建具は大小沢山製作させていただいたのですが、今回引き戸の引手に新たな意匠を取り入れてみました。茶室などの引き戸の作りをアレンジした掘り込みで、さりげない印象が好みです。

地域材を自分なりに取り入れ活かす方法を一つ一つ見つけて引き出しを増やしていく。今回の仕事でいくつかの引き出しを身に付けることが出来ました。