米作りも4年目。どことなく静かだった5月は今までで一番じっくりと田植えの準備に取り組めて、順調です。豊作はもちろん期待したいところですが、まずは楽しく。
ある京北にお住いの方より、中学生になる娘さんのために、ずっと使っていけるような机と椅子を作って欲しいとのご依頼をいただいたのは今年1月でした。
自然素材にこだわって建てられたご自宅に合わせて、接着剤や塗料などはできるだけ自然なものがご希望とのことで、京北産の木材で作ってもらえたら、とのご希望でした。待ってましたとばかりに数年前に製材した京北のサクラ材をご提案し、製作のときを楽しみに待ちました。材のシーズニングを経て製作、途中細かいご要望を取り入れながら完成したものがこちらです。
机 幅1000×奥行き600×高さ700 サクラ材。
椅子 サクラ材、ペーパーコード。
荏油仕上げ。
右の引き出しには秘密の引き出しに、とデッドストックの鍵を付けました。鍵穴は真鍮を削り出した自作。こういう風合いのある金物は現行ではなかなかないので、古くて状態の良いものを探すことになります。今回はスペアキーまで付いた良いものが見つかりました。
本体側面にはカバンなどを掛けるためのフックも付けました。将来部屋のレイアウトが変わった時のためにフックは左右付け替えができます。
引き出しの引手はツマミ状ではなく、画像のような形に、とは娘さんのご希望で。「ドラえもんが出てきそうな感じに」とのこと(笑)。どことなく愛嬌のある雰囲気です。
一つ一つのささやかな希望を形にしていく、楽しい時間でした。ご近所の方からのご依頼はいつも嬉しいもので、地元の材も活用することができ、この場所で仕事に向き合い培ってきたことを生かすことができた、自分にとっても記念となる仕事となりました。