low-back arm chair

きょうと椅子に出品した新作椅子、
「ローバックアームチェアー」

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山桜を主材に、スピンドルはいつも通りトネリコを使用。
ただし今回は一番細い部分で直径8ミリ。
細くしならせた合計12本のスピンドルが総持ちで構造を成します。
昨年製作したハイバックタイプをより取り回しのよい形状にブラッシュアップ。
形状、工法にいくつかの改良を加え、完成度が上がったと思います。

ダイニングで、座りやすいようにアームは短めに設計しましたが、
展示中は、もう少し長いほうが、との声もあり、
その辺は好みの分かれる所かと思います。
ただ、アームが短い分コンパクトな見た目になり、
軽快な印象になっている利点はあります。

今回同時にナラでも製作。
自宅で使用し、使用感を経たものを展示する機会があっても面白いな、
と思っています。

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ダイニング一式納品

更新をしばらく怠っておりましたが、
あれこれ忙しくすごしておりました。
季節は移り変わりはや10月も後半。
今年初挑戦の我が家の田でも稲穂がこうべを垂れ、
28日の稲刈りを待つばかりです。

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初挑戦にあたり、農薬などに頼らず、手植え手刈りの昔ながらに近い農法を試しています。
見よう見まねなので結局雑草は生え放題で思うように行かないこともあり、
手間がものすごくかかってしまいましたが、その手間も収穫後に「オラが米」を食することで報われると願っております。

新築のお宅に、ダイニング一式を納めさせていただきました。

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持込のブビンガの2000×950㎜の天板にナラで脚を製作、
定番のスピンドルチェアー、オーダーメイドのベンチもそれぞれナラで製作しました。

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うちで作業台として使っているテーブルの脚と同形状で、
70角のしっかりした脚、ナラ材の適度にダイナミックな表情が、
重厚なブビンガの天板を引き立て、支えます。

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2017年モデルのスピンドルチェアー。
前脚を少し手前に収めるなどのマイナーチェンジを加えました。
これまでセン、クリ、クルミで座面を作ってきましたが、
やはりナラは「間違いない」表情の良さがあると感じます。

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そして特注の長さ1800のベンチ。
ナラのフレームに、アクリルテープを巻いています。
これだけ長いと、テープをたわませずに編めるかが懸案でしたが、
構造を試行錯誤し、座り心地の良いベンチに仕上げることができました。
アクセントの通しホゾ。

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とりわけベンチをお施主さんにはお気に入りいただき、
試行錯誤の甲斐がありました。

この仕事を繋いでくれた大工の沖本さん、ありがとうございます。
彼は非常に良い仕事をする大工で、
今後も彼と何か一緒にやれるのが楽しみです。

continuous arm chair

4月に形となったアームチェアー。
HP上ではご紹介ができていませんでしたが、
少し改良を加えたものを作らせていただいたので、併せてご紹介します。

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曲げ木を最大限生かして、軽快な印象を演出。
実際軽い椅子です。
「continuous(連続曲線) arm chair」という名で、
アメリカンウインザーチェアーの中には作例が挙がる工法です。
思い通りの曲率に木を曲げるには試行錯誤が繰り返されましたが、
京北産のサクラの生木が使えたことは大きな助けとなっています。
曲げ木部分はサクラ、スピンドルはトネリコ、座面は栗と、
木の特性を見極めて適材適所の配材です。

4月の第一作目は背もたれの傾斜をきつくして、
ゆっくりともたれられる安楽椅子により近い椅子でしたが、
お客様の要望で傾斜をゆるく、
食卓椅子に近いもたれ感にアレンジし、ある意味汎用性のより高い椅子になったと思います。
下の画像は左が一作目、右が再製作分。

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長い間温めていたイメージを一旦カタチにすることができて、
一定の満足感はありますが、
材料選びや細部の形状を見つめ直しながら、
より自分の椅子として育てていける題材を得た気もしています。