「かわいい」かたち

スピンドルチェアーを製作中。

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毎回座面の形が変わっています。
座り心地変化の出る部分には手を加えず、
いかに「かわいい」かたちに仕上げられるか。
小さいものや子供がかわいいとかのそれとは違う、
かたちを褒めるときのこの「かわいい」という表現。
根源的な魅力をもったものに感嘆して投げかけられる言葉だと思います。
この「かわいい」を言ってもらえるものをいくつ世に送り出せるか。
つくり続けられるか。
つまるところそれが仕事の価値のような気がします。
そういうところを目標にしていきたい。
大仰ですが。

カンナちゃん

雨ばかりが続いて、
もしかしたらこの冬はこのまま雪も降らずに終わるんじゃないか・・、
なんて思ったほどでしたが、
ようやくみられたこの景色にほっとさせられました。
でも寒さも一気に強まり、作業中はキツい冬本番です。

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さて、
今年最初の大仕事として、
ダイニングセット、壁面カウンター収納一式などの大口のご注文を頂いています。
その製作に入る前に・・。
小ガンナ作り。

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電気ガンナの刃を切断して、
自作の台にすえて作ります。
以前から使っていたものの台が磨り減ってきたので、
少し前から作りたかったんですが、
この機会に4個ほど作りました。
自作の道具といえども、
面取りとか、曲面の仕上げとか、
これがものすごく重宝するんです。
電気ガンナの刃が2枚セットで2400円。
その2枚から小ガンナ10個分が取れるから、
小ガンナ一個当たり240円。
めちゃめちゃ重宝して材料費一個240円とは、
益々かわいく思えてくるかわいいカンナちゃん。

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切れ味もご覧の通り。
懸案を一つクリアして、大仕事に望みます。

2013年の瀬

気が付けば、早や年の瀬。
片付けたかった仕事が残り、
きりの悪い仕事納めですが、
正月ぐらい、ゆっくりすることにします。

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今年は、4月に新しい作業場兼住居に居を移し、
更に住まいに手を加える作業を、仕事と平行して行っていました。
業者さんには入ってもらいましたが、
自分でやる部分との兼ね合いもあり、
常に仕事と、家作りとに追われていた気がします。

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工房を設立して5年目。
ロッキングチェアーや箪笥など、
じっくりと素材と向き合いながらやれる仕事も与えていただき、
何点かの紹介できる作例を残すことができました。
願わくばこのような仕事に、より多く関りたいと思うのですが、
家作りや、町内の行事など、仕事以外のことで時間をさかなければいけないことも多い日常、
「一生懸命取り組めば、その全てが君の作品になる」というある方のアドバイスに、
心を落ち着け、やっています。
一歩一歩、です。
去る22日には三女が誕生。

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はかなげだが、抱けば確かに感じる命の実在。
子供達3人の関係性は、
僕らを楽しませてくれるでしょう。
今年一年出会えた方々、
支えていただいた人々に感謝を込めて、
今年のブログを終えたいと思います。
皆様、本年はありがとうございました。
よいお年を。

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晩秋

霜月も半ばとなり、
今朝京北でも今年初霜が。
庭の栗の木の葉は黄色に色づきました。
栗の葉は紅葉しないので、
今の黄色がきれいな頃。
派手さはないが、爽やかで気持ちいいものです。

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いち早く散った肉厚の柿の葉をヤギ達がおいしそうに頬張っています。
今年の秋の味覚も終章間際。

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ローテーブルができあがりました。

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センとウォールナットのミックス。
お客様とのデザインの擦り合わせにより、
ディテールにこだわりの効いた、締まった仕上がりです。
ひそかに引き出しも。

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今回のセンは良材で、
カンナがけなどの仕上げが非常に楽でした。
仕上げに手間をかけ過ぎることは、
ある意味材料を無駄にこねくり回して、
せっかく立っていた面がだれて全体のイメージがぼやけてしまうものでもある。
やたらと硬かったり、節の多い材では、
仕上げに手間がかかってこういうことになりがちです。
良い材料で、手間を見切った仕事をし、
気持ちの良い仕上がりを求める。
いつでもこうありたいものです。

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